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Wonderful Life

愛すべき地球の生き物(Life)を紹介・解説

カンガルー

分類

脊索動物門 > 哺乳綱 > 双前歯目 > カンガルー科

名称

 英名や和名のカンガルーはオーストラリア原住民による呼称にちなんでおり、「跳躍者」を意味する。

 ジェームズ・クックが第一次世界周航の際にカンガルーを発見し、その名を記録した。

 カンガルーという名称については、現地の言葉で「分からない」を意味するゲグルゲルが語源だという説もあった。クックがカンガルーを発見したとき、近くにいた原住民がその動物の名前を「分からない」と言ったので、そういう名前の動物だと勘違いしてしまったというのだ。
 しかし、かつてボタニー湾の辺りでこの動物がカンガルーと呼ばれていたことが分かり、現在では「分からない」を語源とする説は俗説とされている。

特徴

 オーストラリア、タスマニア島、ニューギニア島などに分布する哺乳類。
 多くは草食性である。

 体の大きさは種によって多様で、頭胴長は大きなもので1.6m、小さなもので25cm。体重も0.5~80kgと幅広い。
 大型の種がカンガルーと呼ばれるのに対し、小型のものはワラビーと呼ばれる。また、カンガルー属のうち、カンガルーより小さくワラビーよりも大きなものは、両者の名前を混ぜたのか、ワラルーと呼ばれている。

 メスの下腹部には育児嚢という袋がある。
 子供は大きさ1~2cm、体重1g前後という未成熟な状態で生まれて、自力でこの育児嚢に入る。その後は育児嚢の中で成長し、約半年から1年ほどで独立する。

アカカンガルー

: オーストラリア

: 草食

頭胴: 1.6m

尾の長さ: 90~110cm

: 90kg

寿: 約23年(野生)

 カンガルーの仲間で最大とされる種。10~12頭の群れを成す。
 多くのカンガルーは海岸近くの森林に生息するが、アカカンガルーは内陸部の半乾燥地帯で生活している。

 数の増減が激しいようで、雨が多い時期には1200万匹に増えるが、旱魃になると500万匹まで減るという。

 毛が青っぽく見えることから、ブルー・フライヤーとも呼ばれる。

オオカンガルー

: オーストラリア大陸 / タスマニア島

: 草食

頭胴: 1.1~1.5m

尾の長さ: 55~140cm

: 15~66kg

寿: 8~10年(野生)

 ハイイロカンガルーともいう。
 夜間に活動する。

クロカンガルー

: オーストラリア南部

: 草食

頭胴: 0.8~1.4m

尾の長さ: 0.8~1m

: 28~55kg

寿: 約10年(野生)

文化

神話・宗教・伝承

オーストラリアの伝承

 オーストラリア原住民の言い伝えによると、湯船にカンガルーの血を満たして浸かると幸運になるという。

ニューギニアの伝承

 ニューギニアのマシングル族は、カンガルーを自分たちの祖先の生みの親であるとして崇めている。
 昔、オグレという女がいた。彼女がカンガルーを焼くと、カンガルーは大声をあげて死んだ。このカンガルーの死体から湧きだしたウジが、マシングル族の祖先になったのだという。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』5 哺乳類: 246ページ 荒俣宏 平凡社 1988
『いきもの探検大図鑑』: 90-91ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 98-99、101ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

Wonderful Life
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ジャイアントパンダ

分類

脊索動物門 > 哺乳綱 > 食肉目 > クマ科 > ジャイアントパンダ属 > ジャイアントパンダ

名称

 英名と和名のパンダは、「竹を食べる者」を意味するネパール語、ネガリャポンヤの「ポンヤ」に由来するとされる。
 パンダという名称が初めて記録されたのは1825年のことだが、当時はまだジャイアントパンダの存在が広く知られておらず、パンダはレッサーパンダを指す言葉だった。しかし現在では、単にパンダと言うとジャイアントパンダを指すのが一般的である。

 中国では大熊猫(ターシェンマオ)と呼ばれる。

 学名は Ailuropoda melanoleuca (アイルロポダ メラノレウカ)。

特徴

: 東アジア

: 雑食

: 1.6~1.9m

尾の長さ: 10~15cm

: 70~125kg

寿: 約20年(野生)

 中国やチベットの高地に棲息している。

 黒と白の体色が特徴的である。眼の周り、耳、後足、肩から前足にかけての部分が黒で、他の部分は白い。

 主にタケの葉やタケノコなどを食べる。しかしタケはある年になると一斉に開花し、それから間もなく枯死するので、その影響でパンダの個体群が餓死してしまうこともある。
 タケの他には死肉、幼虫、卵といったものを食べることもあるという。

 親指の外側に第6の指があり、タケの茎をつかむ際に使われる。

 オカピ、コビトカバとともに「世界三大珍獣」に数えられている。

文化

お菓子

さくさくぱんだ

 カバヤ食品が販売する、パンダの顔を模したチョコビスケット。コンセプトは「幸せみつけた、癒しのぱんだ」。

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映画

『カンフー・パンダ』

 2008年に公開されたアメリカのアニメーション映画。カンフーオタクだったパンダのポーが、ひょんなことから「龍の戦士」に選ばれ、レッサーパンダのシーフー老師のもとで修行をすることになる。
 続編に『カンフー・パンダ2』『カンフー・パンダ3』などがある。

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主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』5 哺乳類: 159、162ページ 荒俣宏 平凡社 1988
『いきもの探検大図鑑』: 219ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 191ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

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ゴリラ

分類

脊索動物門 > 哺乳綱 > 霊長目 > ヒト科 > ゴリラ属

名称

 「毛深い人間」を意味するギリシャ語の gorillai (ゴリライ)に由来する。あるいは、「ひっかく人」を意味するカルタゴ語のゴレルの女性形に由来するともいう。

 日本でゴリラという名前を初めて紹介したのは、大学南校の教科書『輿地誌略』だとされている。

 学名は次の通り。

●ニシゴリラ……… Gorilla gorilla (ゴリラ ゴリラ)
●ヒガシゴリラ…… Gorilla beringei (ゴリラ ベリンゲイ)

 なお、ニシゴリラの亜種ニシローランドゴリラは学名を Gorilla gorilla gorilla (ゴリラ ゴリラ ゴリラ)と命名されている。属名・種小名・亜種名がどれも「ゴリラ」であり、「ゴリラ」が3回も繰り返される面白い学名になった。

特徴

 アフリカに分布する哺乳類。
 現存する最大の霊長類だが、性質は内気。

 森の中で群れを成して生活している。
 緊張したときには両腕で胸を叩く行動(ドラミング)をする。

 毛は黒色や黒褐色であるが、成長したオスは背の体毛が白色になる。そのようなオスはシルバーバックと呼ばれる。
 典型的なゴリラの群れは、1頭のシルバーバックによって率いられる。

 ニシゴリラとヒガシゴリラの2種に分類される。

ニシゴリラ


↑ ニシローランドゴリラ

: アフリカ西部

: 雑食

: 1.3~1.9m

: 68~200kg

寿: 約30~35年

 主に植物の葉、茎、果実、種子を餌とするが、シロアリなどを食べることもある。
 シルバーバック1頭と、複数のメスや子供で構成された3~20頭の群れで生活する。

 ニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラの2亜種がいる。

ヒガシゴリラ


↑ マウンテンゴリラ

: アフリカ東部

: 雑食

: 1.3~1.9

: 68~210kg

寿: 約40年

 主に葉や若木を餌とする他、キノコやアリを食べることもある。

 マウンテンゴリラとヒガシローランドゴリラの2亜種がいる。

文化

映画

『キングコング』

 1933年に公開されたアメリカの特撮映画。アフリカの孤島で捕獲され、ニューヨークに連れてこられた巨大なゴリラ、キングコングの悲劇を描き大ヒットした。怪獣映画における古典的名作である。
 続編として『コングの復讐』(1933年)も公開された。

 日本では『キングコング』の影響から、『和製キング・コング』(1933年)や『江戸に現れたキングコング』(1938年)といった映画が作られた。また、1960年代には東宝特撮映画『キングコング対ゴジラ』(1962年)、『キングコングの逆襲』(1967年)が製作されている。

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主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』5 哺乳類: 50-51、54ページ 荒俣宏 平凡社 1988
『いきもの探検大図鑑』: 123ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 135ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

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