忍者ブログ

Wonderful Life

愛すべき地球の生き物(Life)を紹介・解説

アガマ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目 > アガマ科

名称

 アガマという分類名の由来は、はっきりしていないらしい。
 フランス最大の博物学者キュヴィエも、アガマの意味に関してはお手上げだったのか、著書『動物界』で「命名者のリンネに聞かなければわからない」と記しているそうである……。

 一応、ギリシア語で「独身者」を意味する agamos が語源だともいわれているが、F.-M. ドーダンは「トカゲ」という意味のスリナムの言葉だとしている。

特徴

 ヨーロッパ南西部から南アジアにかけての地域や、アフリカ、オセアニアに棲息しているトカゲ。原始的なイグアナ類から分かれたグループだという。
 その数は約300種に及ぶ。全長は12cmほどの小型なものから、1メートルを超えるものまで様々である。

エリマキトカゲ

: オーストラリア北部 / ニューギニア南部

: 肉食

: 75~90cm

: 0.5kg

寿: 20年まで(飼育下)

 低地の森林地帯で暮らしている。
 首周りにフリルがあり、敵への威嚇の際などに広げる。その大きさは直径20~30cmになる。そうして捕食者がたじろいだ隙に木の上などに避難する。

キノボリトカゲ

: 日本の奄美や沖縄など / 台湾

: 肉食

: 20~24cm

尾の長さ:

:

寿:

 リュウキュウキノボリトカゲともいう。
 主に木の上で暮らし、昆虫やクモを食べる。

 日本にはオキナワキノボリトカゲ、サキシマキノボリトカゲ、ヨナグニキノボリトカゲの3亜種がいる。

フトアゴヒゲトカゲ

: オーストラリア

: 雑食

: 40~50cm

 森林で暮らし、植物や昆虫を食べる。

 首回りには髭と呼ばれるフリルがある。猛禽類やヘビといった捕食者に遭遇した際には、このフリルを立てて威嚇する。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 190ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 403-404ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

Wonderful Life
【PR】
PR

トカゲ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目

名称

 和名のトカゲの由来について、『傍廂』は草の蔭や岩の間にいることにちなんで「処蔭」という意味だとしている。また、『和訓栞』は「疾駆」だとして、トカゲは有毒だから見つけたらすぐ逃げなければならない、疾く駆けなければいけないことからの命名だとする。

 漢字では「蜥蜴」や「石竜子」と表記される。

 ちなみに、恐竜の名前によく用いられる「サウルス」は、トカゲを意味するギリシア語のラテン語形である。ティラノサウルスは「暴君トカゲ」、ステゴサウルスは「屋根トカゲ」という意味になる。
 ただし、恐竜はトカゲとは別のグループに分類されている。

特徴

 南極を除く世界各地に分布する爬虫類。
 種の数は約4,500。多くの種は全長20~30cmほどで、発達した四肢と長い尾がある。地上や樹上などで暮らし、たいていは卵で繁殖する。

 捕食者に襲われた際には、自ら尾を切り離して(自切)逃げ、後に再生されるという特性を持つ種もいる。

コモドオオトカゲ

: インドネシアのコモド島、リンカ島、パダル島、フロレス島西部

: 肉食

: 2~3m

: 70kg

寿: 30年以上(野生)

 オオトカゲ科のトカゲ。コモドドラゴンともいう。
 世界最大種のトカゲとされる。

 若い個体はヘビ、トカゲ、ネズミなどを食べるが、成体になるとブタ、シカ、水牛まで襲う。また、嗅覚が優れていて、最大5㎞先の腐肉のにおいも感知するらしい。

 現地の人々からは兄弟という意味で「オラ」と呼ばれているという。

ニホントカゲ

: 日本の北海道、本州、四国、九州、大隅諸島など

: 肉食

: 20~25cm

 トカゲ科のトカゲ。金トカゲともいう。
 昆虫、クモ、ミミズなどを食べる。草地、山道、庭先などで暮らし、日向と日陰を移動して体温を調節する。

 敵に襲われた際には尾を自切して逃げることがある。
 子供のうちは尾が青い。

マツカサトカゲ

: オーストラリア

: 雑食

: 25~30cm

寿: 30年(野生)

 トカゲ科のトカゲ。
 昆虫、ミミズ、カタツムリ、果実、花などを食べる。

 尾は太く短く、モミの松笠に似ている。
 胎生であり、1~3匹の大きめの幼体を産む。

メキシコドクトカゲ

: メキシコ西部

: 肉食

: 80cm

 ドクトカゲ科のトカゲ。
 近縁種にはアメリカドクトカゲがいる。

 鳥の卵や雛、小型の哺乳類などを食べる。
 その名の通り毒を持っており、下顎の鋭い歯で獲物に噛みついて毒を注ぎ込む。

ワニトカゲ

: アジア南東部

: 肉食

: 30~40cm

 ワニトカゲ科のトカゲ。チュウゴクワニトカゲとも呼ばれる。
 半水生。背中や尾にはワニに似た骨質の鱗がある。

 一歩踏み出しかけた体勢のまま数時間、固まっていることができる。これは相手に見つかるのを避けるための行動だという。
 また、寒さの厳しい夜にも、数時間に渡って体のシステムを止めてエネルギーを保つという。

 胎生であり、幼体を2~10匹産む。

文化

神話・宗教・伝承

テムネ族の昔話

 ニジェール川上流で暮らすテムネ族の昔話。

 かつてトカゲは、人間と仲のよいイヌを羨ましく思っていた。ある時、トカゲはイヌに頼み、背中に乗せてもらって町まで来たことがあった。
 しかしイヌは人家に入ると、食べ物をひっくり返す、スープを勝手に飲むといった悪行をする。その度に人間から棒や鞭で叩かれるのだが、そこで痛い思いをするのはイヌの背にいるトカゲである。
 イヌはお詫びにと己の食事をトカゲに与えようとしたが、それは硬い骨だったので、トカゲは食べることができない。
 ついにトカゲは耐えられなくなり、藪の中に逃げ込んでしまった。いつもトカゲが藪にいるのはこのためだという。

 しかし、トカゲの苦難は終わらない。
 それからもイヌは時折、藪にいるトカゲを無理に町へ連れ出した。そしてトカゲは、またも人間に酷い目に遭わされてしまうのであった。

文学

『黒蜥蜴』

 1934年に発表された江戸川乱歩の長編小説。
 名探偵・明智小五郎と、左腕に黒いトカゲの刺青がある盗賊の女(通称・黒蜥蜴)の対決を描く。

 1959年には三島由紀夫によって戯曲化されている。

【PR】

関連項目

アガマ - トカゲ亜目アガマ科に分類されるトカゲの総称。
イグアナ - トカゲ亜目イグアナ科に分類されるトカゲの総称。
カナヘビ - トカゲ亜目カナヘビ科に分類されるトカゲの総称。
カメレオン - トカゲ亜目カメレオン科に分類されるトカゲの総称。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146-159ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 58、190-191ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 400、416、419-422ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

Wonderful Life
【PR】

コアラ

分類

脊索動物門 > 哺乳綱 > 双前歯目 > コアラ科 > コアラ属 > コアラ

名称

 英名のコアラはオーストラリアの原住民による呼称に由来し、「水を飲まない動物」を意味するとされる。

 学名は Phascolarctos cinereus (ファスコラルクトス シネレウス)。

特徴

: オーストラリア東部

: 草食

: 65~82cm

尾の長さ: 1~2cm

: 4~15kg

寿: 約20年(野生)

 全身が羊毛状の毛で覆われている。
 木登りが上手く、一生の大部分をユーカリの木の上でおくる。

 夜行性であり、夜のうちの約4時間を食事に費やして、500gの葉を食べる。ユーカリの葉や芽だけを食べるが、ユーカリなら何でも食べるというわけではない。約600種のユーカリ類のうち、コアラが口にするのは35種程度だという。
 昼は木の股などで休んでいる。

 妊娠期間は約35日で、普通は1度に1頭の子が生まれる。子供は体長約2cmという未熟な状態で生まれ、母親の育児嚢の中で数ヶ月間育てられた後、それから約半年は母親に背負われて過ごす。

文化

お菓子

コアラのマーチ

 ロッテが販売するチョコレート菓子。
 チョコレート入りのビスケットにコアラの絵が描かれている。「コアラのマーチくん」という男の子のキャラクターと、「コアラのワルツちゃん」という女の子のキャラクターがいる。

【PR】

主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』5 哺乳類: 247ページ 荒俣宏 平凡社 1988
『いきもの探検大図鑑』: 118ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 95ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

Wonderful Life
【PR】