忍者ブログ

Wonderful Life

愛すべき地球の生き物(Life)を紹介・解説

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

イグアナ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目 > イグアナ科

名称

 西インド諸島で話されているアラワク語で「トカゲ」を指す iwana (イワナ)に由来しているという。

特徴

 約700種いるとされる原始的なトカゲ。
 その多くはアメリカ大陸に分布している。

 防御や求愛のディスプレーとして、体を起こしながら頭を上下に振る行動をする。

ウミイグアナ

: ガラパゴス諸島

: 草食

: 1~1.5m

: 1.5kgまで

寿: 5~12年(野生)

 トカゲとしては唯一、海中に潜って海藻を食べる種である。
 普通は浅く潜って10分以内に餌を食べるが、大きな成体なら12mまで潜り、1時間以上海中にいることも可能だという。

 頻繁にくしゃみをして、鼻から塩分を出す。

グリーンイグアナ

: 南アメリカ大陸北部 / 中央アメリカ

: 草食

: 1.8m

: 5kg

寿: 20年(野生)

 南北アメリカ大陸において最大のトカゲの1つとされる。

 生きている月日のほとんどを森林の上部で暮らし、地上には滅多に降りないという。
 餌は木の葉や果実。

サイイグアナ

: カリブ諸島

: 雑食

: 1.5m

寿: 30年(飼育下)

 カリブ諸島に分布するイグアナ。
 全長約1.5m。名前はサイのような角が3本あることにちなんでいる。

 植物の葉や花、昆虫などを食べる。

文化

神話・宗教・伝承

マヤ神話 / イツァム・ナー

 マヤ神話にイツァム・ナーという神が登場する。
 イツァムはイグアナを、ナーは家や女を意味している。

 両性具有の神であり、イツァム・ナーの両性が交わったときには「世界の家」と呼ばれる場所の四隅からイグアナが4匹現れるのだという。

食文化

中央アメリカ

 中央アメリカではイグアナを「バンブーチキン」「森の鶏肉」と呼び、食肉としている。

漫画

『イグアナの娘』

 1992年に発表された萩尾望都の漫画。
 自分の娘がイグアナにしか見えない母と、母から愛されず苦悩する娘を描く。

 1996年にテレビドラマ化された。

【PR】

学問

イグアナの聴力

 19世紀イギリスの博物学者フィリップ・ヘンリー・ゴッスが、イグアナの聴力について実験している。

 縄を引っ張ると美しい音楽が流れる仕組みを用意したところ、イグアナは音楽を聴きたくてひたすら縄を引っ張り、自分の首を絞めてしまったそうである。
 また、音楽が流れている間は大人しいが、音楽が止まった途端に周りのものに噛みつこうとしたという。

イグアナと恐竜

 まだ恐竜の存在が明確に知られていなかった1822年、イギリスの医師ギデオン・マンテルが大きな歯の化石を発見した。
 彼が見つけた化石はイグアナの歯に似ていたことから、後にその生物は、ずばり「イグアナの歯」という意味でイグアノドンと名付けられた。

 また同時期にはメガロサウルスと命名される化石も発見されていた。これらの古生物は、1841年にリチャード・オーウェンによって「恐竜」というグループにまとめられた。
 こうしてイグアノドンやメガロサウルスは、人類が初めて存在を知った恐竜となったのだ。

 恐竜研究史の嚆矢にはイグアナが一枚噛んでいたのである。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146、154-155、301-302ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 28ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 406-407ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

Wonderful Life
【PR】
PR

アガマ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目 > アガマ科

名称

 アガマという分類名の由来は、はっきりしていないらしい。
 フランス最大の博物学者キュヴィエも、アガマの意味に関してはお手上げだったのか、著書『動物界』で「命名者のリンネに聞かなければわからない」と記しているそうである……。

 一応、ギリシア語で「独身者」を意味する agamos が語源だともいわれているが、F.-M. ドーダンは「トカゲ」という意味のスリナムの言葉だとしている。

特徴

 ヨーロッパ南西部から南アジアにかけての地域や、アフリカ、オセアニアに棲息しているトカゲ。原始的なイグアナ類から分かれたグループだという。
 その数は約300種に及ぶ。全長は12cmほどの小型なものから、1メートルを超えるものまで様々である。

エリマキトカゲ

: オーストラリア北部 / ニューギニア南部

: 肉食

: 75~90cm

: 0.5kg

寿: 20年まで(飼育下)

 低地の森林地帯で暮らしている。
 首周りにフリルがあり、敵への威嚇の際などに広げる。その大きさは直径20~30cmになる。そうして捕食者がたじろいだ隙に木の上などに避難する。

キノボリトカゲ

: 日本の奄美や沖縄など / 台湾

: 肉食

: 20~24cm

尾の長さ:

:

寿:

 リュウキュウキノボリトカゲともいう。
 主に木の上で暮らし、昆虫やクモを食べる。

 日本にはオキナワキノボリトカゲ、サキシマキノボリトカゲ、ヨナグニキノボリトカゲの3亜種がいる。

フトアゴヒゲトカゲ

: オーストラリア

: 雑食

: 40~50cm

 森林で暮らし、植物や昆虫を食べる。

 首回りには髭と呼ばれるフリルがある。猛禽類やヘビといった捕食者に遭遇した際には、このフリルを立てて威嚇する。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 190ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 403-404ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

Wonderful Life
【PR】

トカゲ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目

名称

 和名のトカゲの由来について、『傍廂』は草の蔭や岩の間にいることにちなんで「処蔭」という意味だとしている。また、『和訓栞』は「疾駆」だとして、トカゲは有毒だから見つけたらすぐ逃げなければならない、疾く駆けなければいけないことからの命名だとする。

 漢字では「蜥蜴」や「石竜子」と表記される。

 ちなみに、恐竜の名前によく用いられる「サウルス」は、トカゲを意味するギリシア語のラテン語形である。ティラノサウルスは「暴君トカゲ」、ステゴサウルスは「屋根トカゲ」という意味になる。
 ただし、恐竜はトカゲとは別のグループに分類されている。

特徴

 南極を除く世界各地に分布する爬虫類。
 種の数は約4,500。多くの種は全長20~30cmほどで、発達した四肢と長い尾がある。地上や樹上などで暮らし、たいていは卵で繁殖する。

 捕食者に襲われた際には、自ら尾を切り離して(自切)逃げ、後に再生されるという特性を持つ種もいる。

コモドオオトカゲ

: インドネシアのコモド島、リンカ島、パダル島、フロレス島西部

: 肉食

: 2~3m

: 70kg

寿: 30年以上(野生)

 オオトカゲ科のトカゲ。コモドドラゴンともいう。
 世界最大種のトカゲとされる。

 若い個体はヘビ、トカゲ、ネズミなどを食べるが、成体になるとブタ、シカ、水牛まで襲う。また、嗅覚が優れていて、最大5㎞先の腐肉のにおいも感知するらしい。

 現地の人々からは兄弟という意味で「オラ」と呼ばれているという。

ニホントカゲ

: 日本の北海道、本州、四国、九州、大隅諸島など

: 肉食

: 20~25cm

 トカゲ科のトカゲ。金トカゲともいう。
 昆虫、クモ、ミミズなどを食べる。草地、山道、庭先などで暮らし、日向と日陰を移動して体温を調節する。

 敵に襲われた際には尾を自切して逃げることがある。
 子供のうちは尾が青い。

マツカサトカゲ

: オーストラリア

: 雑食

: 25~30cm

寿: 30年(野生)

 トカゲ科のトカゲ。
 昆虫、ミミズ、カタツムリ、果実、花などを食べる。

 尾は太く短く、モミの松笠に似ている。
 胎生であり、1~3匹の大きめの幼体を産む。

メキシコドクトカゲ

: メキシコ西部

: 肉食

: 80cm

 ドクトカゲ科のトカゲ。
 近縁種にはアメリカドクトカゲがいる。

 鳥の卵や雛、小型の哺乳類などを食べる。
 その名の通り毒を持っており、下顎の鋭い歯で獲物に噛みついて毒を注ぎ込む。

ワニトカゲ

: アジア南東部

: 肉食

: 30~40cm

 ワニトカゲ科のトカゲ。チュウゴクワニトカゲとも呼ばれる。
 半水生。背中や尾にはワニに似た骨質の鱗がある。

 一歩踏み出しかけた体勢のまま数時間、固まっていることができる。これは相手に見つかるのを避けるための行動だという。
 また、寒さの厳しい夜にも、数時間に渡って体のシステムを止めてエネルギーを保つという。

 胎生であり、幼体を2~10匹産む。

文化

神話・宗教・伝承

テムネ族の昔話

 ニジェール川上流で暮らすテムネ族の昔話。

 かつてトカゲは、人間と仲のよいイヌを羨ましく思っていた。ある時、トカゲはイヌに頼み、背中に乗せてもらって町まで来たことがあった。
 しかしイヌは人家に入ると、食べ物をひっくり返す、スープを勝手に飲むといった悪行をする。その度に人間から棒や鞭で叩かれるのだが、そこで痛い思いをするのはイヌの背にいるトカゲである。
 イヌはお詫びにと己の食事をトカゲに与えようとしたが、それは硬い骨だったので、トカゲは食べることができない。
 ついにトカゲは耐えられなくなり、藪の中に逃げ込んでしまった。いつもトカゲが藪にいるのはこのためだという。

 しかし、トカゲの苦難は終わらない。
 それからもイヌは時折、藪にいるトカゲを無理に町へ連れ出した。そしてトカゲは、またも人間に酷い目に遭わされてしまうのであった。

文学

『黒蜥蜴』

 1934年に発表された江戸川乱歩の長編小説。
 名探偵・明智小五郎と、左腕に黒いトカゲの刺青がある盗賊の女(通称・黒蜥蜴)の対決を描く。

 1959年には三島由紀夫によって戯曲化されている。

【PR】

関連項目

アガマ - トカゲ亜目アガマ科に分類されるトカゲの総称。
イグアナ - トカゲ亜目イグアナ科に分類されるトカゲの総称。
カナヘビ - トカゲ亜目カナヘビ科に分類されるトカゲの総称。
カメレオン - トカゲ亜目カメレオン科に分類されるトカゲの総称。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146-159ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 58、190-191ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 400、416、419-422ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

Wonderful Life
【PR】