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Wonderful Life

愛すべき地球の生き物(Life)を紹介・解説

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イグアナ

分類

脊索動物門 > 爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ亜目 > イグアナ科

名称

 西インド諸島で話されているアラワク語で「トカゲ」を指す iwana (イワナ)に由来しているという。

特徴

 約700種いるとされる原始的なトカゲ。
 その多くはアメリカ大陸に分布している。

 防御や求愛のディスプレーとして、体を起こしながら頭を上下に振る行動をする。

ウミイグアナ

: ガラパゴス諸島

: 草食

: 1~1.5m

: 1.5kgまで

寿: 5~12年(野生)

 トカゲとしては唯一、海中に潜って海藻を食べる種である。
 普通は浅く潜って10分以内に餌を食べるが、大きな成体なら12mまで潜り、1時間以上海中にいることも可能だという。

 頻繁にくしゃみをして、鼻から塩分を出す。

グリーンイグアナ

: 南アメリカ大陸北部 / 中央アメリカ

: 草食

: 1.8m

: 5kg

寿: 20年(野生)

 南北アメリカ大陸において最大のトカゲの1つとされる。

 生きている月日のほとんどを森林の上部で暮らし、地上には滅多に降りないという。
 餌は木の葉や果実。

サイイグアナ

: カリブ諸島

: 雑食

: 1.5m

寿: 30年(飼育下)

 カリブ諸島に分布するイグアナ。
 全長約1.5m。名前はサイのような角が3本あることにちなんでいる。

 植物の葉や花、昆虫などを食べる。

文化

神話・宗教・伝承

マヤ神話 / イツァム・ナー

 マヤ神話にイツァム・ナーという神が登場する。
 イツァムはイグアナを、ナーは家や女を意味している。

 両性具有の神であり、イツァム・ナーの両性が交わったときには「世界の家」と呼ばれる場所の四隅からイグアナが4匹現れるのだという。

食文化

中央アメリカ

 中央アメリカではイグアナを「バンブーチキン」「森の鶏肉」と呼び、食肉としている。

漫画

『イグアナの娘』

 1992年に発表された萩尾望都の漫画。
 自分の娘がイグアナにしか見えない母と、母から愛されず苦悩する娘を描く。

 1996年にテレビドラマ化された。

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学問

イグアナの聴力

 19世紀イギリスの博物学者フィリップ・ヘンリー・ゴッスが、イグアナの聴力について実験している。

 縄を引っ張ると美しい音楽が流れる仕組みを用意したところ、イグアナは音楽を聴きたくてひたすら縄を引っ張り、自分の首を絞めてしまったそうである。
 また、音楽が流れている間は大人しいが、音楽が止まった途端に周りのものに噛みつこうとしたという。

イグアナと恐竜

 まだ恐竜の存在が明確に知られていなかった1822年、イギリスの医師ギデオン・マンテルが大きな歯の化石を発見した。
 彼が見つけた化石はイグアナの歯に似ていたことから、後にその生物は、ずばり「イグアナの歯」という意味でイグアノドンと名付けられた。

 また同時期にはメガロサウルスと命名される化石も発見されていた。これらの古生物は、1841年にリチャード・オーウェンによって「恐竜」というグループにまとめられた。
 こうしてイグアノドンやメガロサウルスは、人類が初めて存在を知った恐竜となったのだ。

 恐竜研究史の嚆矢にはイグアナが一枚噛んでいたのである。


主な参考資料

[文献]
『世界大博物図鑑』3 両生・爬虫類: 146、154-155、301-302ページ 荒俣宏 平凡社 1990
『いきもの探検大図鑑』: 28ページ 小学館 1997
『世界動物大図鑑』: 406-407ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004

[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008

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