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愛すべき地球の生き物(Life)を紹介・解説
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脊索動物門 > 哺乳綱 > 偶蹄目 > キリン科 > キリン属 > キリン
和名のキリンは中国に伝わる伝説の獣「麒麟」にちなんでいる。明治時代にキリンが日本に連れてこられた際、動物学者の石川千代松が名付けたらしい。
英名の giraffe は「速く進むもの」を意味するアラビア語に由来している。
学名は Giraffa camelopardalis (ギラッファ カメロパルダリス)。
分布: アフリカ
食性: 草食
体長: 3.8~4.7m
尾の長さ: 78~100cm
体重: 0.6~1.9t
寿命: 約25年(野生)
草原地帯や半砂漠地帯で生活している。
陸生の哺乳類の中では最も背が高く、肩までが3m、頭までは5mほどになる。
長い首が特徴的だが、頸椎の数は他の多くの哺乳類と同じで7つである。
走る速さは時速50㎞ほど。前後の肢を片側ずつ、同時に動かして駆ける。
肉食動物に襲われないように常に警戒していて、熟睡するのは1日20分程度だという。
オス同士の争いでは、ネッキングと呼ばれる首をぶつけ合う行動が見られることもある。
声帯は発達しておらず、滅多に鳴き声を発さない。だが、出産時や幼い時期には低い声で「モー」と鳴くことがある。
アミメキリン、ウガンダキリン、ケープキリン、ヌビアキリン、マサイキリンなどの亜種がいる。
キリンは生物の進化を語る際に例として用いられる定番の動物である。
キリンの首はなぜ長くなったのか。
その理由について、1809年に『動物哲学』を刊行したフランスの博物学者ジャン・バティスト・ラマルクは次のような考えを持っていた。
――キリンの棲息する地域は乾燥していて草が生えないので、キリンは高い木の葉を食べるために首を伸ばす努力をしなければならなかった。そんな努力の結果、首が伸び、それが子供にも受け継がれ、何代にもわたって繰り返されるうちにキリンは首の長い種になったのだ。
これがラマルクの提唱した「用不用説」「獲得形質の遺伝」である。
そして『動物哲学』刊行から50年後の1859年、イギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンが、今もなお名著として名高い『種の起源』を発表する。
ダーウィンは「自然淘汰」「適者生存」によって進化のメカニズムを考えた。
彼の進化論に基づいてキリンの首が長くなった理由を説くと、ラマルクとは異なった回答になる。つまり――キリンには首の長いものや短いものがいたが、生存競争によって首の長いキリンだけが勝ち残った――といった具合である。
ラマルクの説は今日では一般に否定されているが、ダーウィンに先駆けて生物の進化を論じた功績は大きい。
主な参考資料
[文献]
『ラマルク 動物哲學 ダーウヰン 種の起原』(大思想文庫): 89ページ 小泉丹 岩波書店 1935
『世界大博物図鑑』5 哺乳類: 311、315ページ 荒俣宏 平凡社 1988
『いきもの探検大図鑑』: 99ページ 小学館 1997
『進化論』(図解雑学) 中原英臣 ナツメ社 1999
『世界動物大図鑑』: 242-243ページ デイヴィッド・バーニー 総編集、日髙敏隆 日本語版総監修 ネコ・パブリッシング 2004
『西洋博物学者列伝 アリストテレスからダーウィンまで』: 190-196ページ ロバート・ハクスリー 編著、植松靖夫 訳 悠書館 2009
[ソフトウェア]
『Microsoft エンカルタ 総合大百科 2009』 Microsoft 2008